E. スロープ

 我が家には道路までの高低差80cmで、L型の長さ8m、幅100cmのスロープがあります。壁の内側ですから、外からはスロープがあるなどとは分かりません。見た目には普通の住宅と変わらないのがいいのです。

 

1、有効幅員

  • 個人住宅屋内のスロープは一種の廊下ですから、車椅子の通行に支障のない幅でいい。廊下を参照されたし。
  • 個人住宅の屋外は130cm以上が理想だが、敷地にあわせて車椅子の通行に支障のない幅でいい。

2、踊場等(下図参照)

  • スロープが直進で高低差が50cmを越える場合、50cmを越えるごとに踊場として、Uターン出来る長さ140~150cm程度の踊り場として水平部を設けるといいでしょう。
踊り場
踊り場
  • 敷地の都合でL型だったり折れ曲がりのスロープには、角にUターン出来る140~150cm程度の踊り場として水平部を設けるといいでしょう。

3、床仕上げ

  • 通路床面は滑りにくい材料を用い、平坦な仕上げとする。
  • 屋外など表面が濡れる恐れのあるスロープは通路床面にほうき目を入れる。

4、立ち上がり(下図参照)

  • 車椅子の脱輪などの防止のため20cmまでの立ち上がり、または側壁を。
  • 5cm程の立ち上がりのうえに50cm迄のフェンスを付けてもよい。
立ち上がり
立ち上がり

5、勾配

  • 屋内は8%(約1/12)以下、屋外では5%(約1/20)以下とする。

   ただし、高低差が50cm以下の場合は緩和することが出来る。

   ただ余裕があれば勾配は緩やかな程よい。

  • 車椅子は重心が高いので、スロープの勾配が急だと後に倒れる心配がある。

高低差

勾配緩和   高低差 勾配緩和   高低差 勾配緩和
50cm 1/9   35cm 1/8   25cm 1/7
20cm 1/6   12cm 1/5   8cm 1/4
6cm 1/3   4cm 1/3   2cm 1/2
1cm 1/2            

 

     我が家の近くにある市営住宅のスロープ
     我が家の近くにある市営住宅のスロープ

6、その他

 二階建ての4軒しかない市営住宅だが、スロープの幅、勾配、踊り場、スペースなど、お手本みたいなスロープである。手すりも取り付けてあって、高齢者にも便利だと思う。

 マンション、公営住宅などはこういうスロープを備えてほしいものである。