J. 廊下

 我が家の住宅の真ん中にリビングを配置して、台所、洗面所、玄関、納戸、私の寝室など全ての部屋がリビングに面していますので、廊下がありません。廊下の部分をリビングに取り入れた。と、言っていいでしょう。しかし、住宅の大きさや住宅の形状によっては廊下は必要なモノとなりますから、ここで述べたいと思います。

 廊下は建物の用途、規模、利用状況などに応じて車椅子が通ることが出来る十分な幅員を確保すると共に、手すりなどを設置する。障害物はもちろんあってはならない。

 

1、有効幅員(市町村によって基準があるみたいです) 

  • 車椅子の幅は約65cm程で車椅子の車輪を自分でこぐためには、腕の幅を含めると85cmは必要です。しかしぎりぎりの幅では少しでも曲がると壁などにぶつかってしまいますので、90cm以上は必要です。
  • 長い廊下の場合、途中に回転できる空間が有ればベストです。

 

2、形状

  • 床面には段差を設けない。やむを得ない事情で段差が残る場合はスロープを設けることです。(スロープの勾配の緩和表を参照のこと)
  • 柱型、消火器などの壁面から突出物がないように配置する。

 

3、床仕上げ等

  • 床面は滑りにくい材料を用い、平坦な仕上げとする。
  • 壁仕上げはやわらかな材料を用いるように配慮する。

 

4、車椅子当たり

  • 車椅子がぶつかりそうな所は車椅子当たりを取り付ける事。
  • 壁面には床上10~30cm程度の位置に取り付けること。

 

5、曲がり角(下図参照)

       廊下の角
       廊下の角
  • 「隅切り」または「面取り」などにより曲がりやすくなり、廊下幅を5cmほど狭く出来る。また危険防止の配慮をする。

 

5、照明

  • できるだけむらなく明るくするように配慮する。

 

6、廊下への出入口

  • ドアは原則として引き戸または内開き戸とし、通行者の安全性に配慮する。
  • やむを得ず外開きとする場合は、ドアに小さな窓を配置するなどの工夫をし、廊下の通行を妨げないように配慮する。