ある公共の施設でせっかく障害者用のトイレを造ったが、出入口が狭すぎて使用できなかったという笑えない話もあります。車椅子の幅・長さ・介助者がいるかいないか、本人が車いすをこぐ場合、腕の幅がプラスされますから、ドア幅が80cm以下だと腕がドアにぶつかります。安全で円滑に出入りできるように、有効幅員のみでなく通行上支障とならないようなドア幅を確保する事を忘れてはなりません。
1、形式
〈引き戸〉
- 軽い材質のものとし、段差のある敷居や溝を設けないようにする事。
前述していますが、段差のないフラッターレール仕様の引き戸もあります。
〈開き戸〉
- 原則としては内開き戸(トイレドアは外開き)
- 閉鎖作動時間を十分に確保したドアチェックを設け、できるだけ軽くゆるやかに開閉するように配慮する。
- 戸の開き勝手にはより多くのスペースをとる。
- 開き戸には反対側の動きがわかるように、床から30cm、90cm、150cmの三ヶ所に5~10cm四方の磨りガラス窓を設置する。(ガラスは割れにくいものを用いる)
2、有効幅員
- 出入口(戸)は85cm以上とする。(90cm程度でいいと思う)
- 玄関などの開きドアを90cm以上だと、重くなり開閉しにくい。
3、ドアハンドル
- 使い易い形状のものとし、床面より80~100cm程度の所に設置する事。
- ノブ式より、レバー式がよい。(現在は各種のドアハンドルがある)