願い

 ハンディネットワークインターナショナルの社長で、自らは筋ジスの春山さんの言葉を借りれば「バリアフリービジネスというのは実は潜在的に今これほど多くの人々が望んでいながら、未だ多くの分野で提供されていない。それは身近な家電製品から、家一軒、生活環境まで、これはビジネスとして拡大します。末端では実は潜在的に多くの日本中が不自由と感じています」「これからはバリアフリーコンセプトのバリアフリー住宅、バリアフリーコンセプトの街づくり、バリアフリーコンセプトの商品、これをインフラストラクチャーにすると、(つまり、個人の住宅のみならず、ありとあらゆる社会基盤の施設や商品をバリアフリー化する事)家も環境も社会も、何も新しいものをあとで取り付けないでいい、結果安いものにつきます。それが20年後の高齢化社会に対する対策です」と語っています。

 段差をなくし、ドア幅を広くして、開き戸から引き戸へ、部屋のスペースを確保して、間取りの工夫等でバリアフリー住宅になります。同じ条件で家を建てる場合、バリアフリーの住宅もそうでない住宅も建築費は殆ど変わることなく、30年のローンが終わった後にまた家を改造する必要がなく、もしあったとしても安い値段で済み、よりよい老後が送れるはずです。また、私のように中途障害者にとって住宅の改造、新築は自身の障害と同様に経済的には大きすぎる負担です。

 私の願いは全ての住宅がバリアフリーの考えを基に建築され、それが当たり前の時代になる事です。例えば車で言えばエアコンやエアクッションがオプションから標準装備になってきたように、バリアフリー住宅が高齢者や障害者の為の特別な住宅でなく、健常者にとっても普通の住宅になっていけばと願っています。